オープン・ソース・デベロップメント・ラボ(OSDL)
データセンタ Linux(DCL)およびキャリアグレード Linux(CGL)の推進を加速 |
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2002 年 8 月 14 日
<ご参考資料>
* 2002 年 8 月 13 日に米国で発表されたプレスリリースの抄訳です。
オープン・ソース・デベロップメント・ラボ(OSDL)
データセンタ Linux(DCL)およびキャリアグレード Linux(CGL)の推進を加速
〜DCL ワーキンググループの創設、金融業界に特化した取組み、ならびに
CGL ワーキンググループによる Requirements Definition V1.0 と Architecture Specification V1.0 を発表〜
米国オープン・ソース・デベロップメント・ラボ(Open Source Development Lab、以下 OSDL)は本日、業界のリーダー企業ならびにオープンソース・コミュニティのメンバーと共に、データセンタでの Linux 利用のビジョンと指針を策定するデータセンタ Linux(DCL)ワーキンググループの創設を表明し、金融サービスに特化した取組みの内容を示したホワイトペーパーと最初の Requirements Definition を発表しました。また、本年 1 月にエンタープライズや通信マーケット分野における Linux 利用についてのビジョンならびに指針を策定するために創設されたキャリアグレード Linux(CGL)ワーキンググループは、Carrier Grade Linux Requirements Definition V1.0 および Carrier Grade Linux Architecture Specification V1.0 の策定の完了と、Force Computers の同グループへの参画を発表しました。これらの実績はエンタープライズ向けオープンソース製品の開発をさらに加速させるものとなります。
Giga Information Group, Inc. が 2002 年 8 月にまとめたレポート「OSDL Data Center Linux Initiative Will Fuel Linux Use in Financial Services (OSDL データセンタ Linux Initiative が金融サービスにおける Linux の利用を加速)」の中で、同グループの産業アナリストである Stacey Quandt は次のようにコメントしています。
「Unix/RISC に比べ Linux システムでの運用コストパフォーマンスは優れており、また Linux ソリューションは柔軟性に富みベンダーによる縛りがないことから、金融業界では UNIX から Linux へアプリケーションを移動するケースが増加しています。金融サービス向けアプリケーションにはインターネットインフラ、リスクやポートフォリオの分析などが含まれます。しかし、他のビジネス・クリティカルなアプリケーションへの Linux の広がりは、ますます Linux エンドユーザーからのニーズに掛かっていると思われます。」
OSDL のプレジデントで IBM の e サーバ開発担当副社長の Ross Mauri は、DCL ワーキンググループの創設について次のようにコメントしています。
「DCL ワーキンググループの創設は、データセンタでの利用要件を満たすオープンな Linux 技術についての指針策定と開発支援に向けての大きな一歩となります。DCL および CGL の両ワーキンググループは金融や通信など極めて要求の高い業界での Linux 利用の拡大に向けてのビジョンと指針の策定の場となっています。」
データセンタLinux(DCL)ワーキンググループ、金融サービス業界を第一のターゲットに
Computer Associates、富士通、HP、日立製作所、IBM、Intel、Linuxcare、ミラクル・リナックス、NEC が参加する DCL ワーキンググループは、金融サービス業界を第一のターゲットとして要件評価、技術開発のロードマップ策定を行います。金融サービス業界を最初のターゲットとした理由として、市場規模、新技術の導入に積極的な業界であること、これまでのLinuxの浸透度合い等が挙げられます。
業界特性を重視したアプローチは今後ヘルスケア、製造業をはじめとする様々な業界へ展開される予定で、業界特有の作業を支援する機能の追加が検討されます。DCL ワーキンググループは本日、Data Center Linux Technical Scope White Paper と Data Center Linux Requirements Definition V0.5 を発表しました。同ホワイトペーパーには、ターゲットとするアプリケーション分野、検討されるべき技術的課題、技術標準への準拠など DCL ワーキンググループが取り組むべき内容が明記されています。また、DCL Requirements Definition V0.5 では、機能の分類と優先順位付け、機能性の向上、システムの強化、技術標準への準拠についての目標を含めたプラットフォーム要件が定義されています。
キャリアグレードLinux(CGL)ワーキンググループの活動実績
OSDL の CGL ワーキンググループは本日、Carrier Grade Linux Requirements Definition V1.0 と Carrier Grade Linux Architecture Specification V1.0 を発表し、同グループのスピードを重視した取組みの実績を示しました。CGL Requirements Definition には OSDL の開発者向けサイトを通して集められた業界関係者および Linux 開発者コミュニティの意見が多く取り入れられています。また、CGL Architecture Specification では、OSDL CGL Version 1.0 の主要コンセプトと主要機能の内容が紹介されています。CGL ワーキンググループのメンバーは Alcatel、Cisco Systems、Ericsson、HP、IBM、Intel、MontaVista Software、NEC、Nokia、Red Hat、SuSE に今回 Force Computers が加わった計 12 社です。
米 OSDL のラボディレクタである Tim Witham は今後のエンタープライズレベルでの Linux 利用について次のとおりコメントしています。
「次世代のビジネス・クリティカルなアプリケーションは、データセンタ向けに開発された Linux ベースのオープン・スタンダード・プラットフォーム上で提供されることになるでしょう。OSDL はこれまでのプロプライエタリな製品に代わるものとして、COTS(Commercial-Off-The-Shelf)のソリューションを求めるユーザの希望をサポートすることで、IT インフラの革新と同時に収益(ボトムライン)を重視した IT 投資が求められる企業のニーズに応えます。」
オープン・ソース・デベロップメント・ラボ(OSDL)について
OSDL は独立した特定のベンダを持たない NPO(非営利団体)です。業界のリーダー企業から構成されるコンソーシアムに支援され、エンタープライズおよびキャリアグレード向けの Linux および Linux ベースのソフトウェアの機能を拡大する様々なプロジェクトを支援しています。OSDL は本年だけでのべ 120 ヶ月(project months)に相当する 100 台以上の 2-way 〜 16-way サーバへの専用アクセスを提供しており、OSDL の自動化されたスケーラブル・テスト・プラットフォーム環境で既に 2,000 件以上のテストが実施されています。また、OSDL はこれまでに設備およびサービスに 600 万ドル相当を投資し、Linux 開発者コミュニティ向けに無償で研究開発の場を提供しています。
オレゴン州のポートランド西部を本拠地とし、開発や検証をハイエンドのエンタープライズ・ハードウェア上で行ないたいというニーズに応えます。OSDL を支援する業界リーダー企業は、Alcatel、Caldera、Cisco Systems、Computer Associates、Dell、Ericsson、Force Computers、富士通、HP、日立製作所、IBM、Intel、Linuxcare、ミラクル・リナックス、三菱電機、MontaVista Software、NEC、Nokia、Red Hat、SuSE、東芝、VA Software の 22 社です。OSDL および各ワーキンググループに関する詳しい情報は www.osdl.org(英語)または osdl.jp(日本語)をご参照ください。
本リリースに関するお問合せ先
OSDLジャパン
ラボディレクタ 高澤
E-mail:
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