オープン・ソース・デベロップメント・ラボ(OSDL)
横浜に世界で 2 番目のラボを開設
〜ラボディレクタに高澤真治が就任〜 |
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2001年10月23日
米国オープン・ソース・デベロップメント・ラボ(本拠地:米国オレゴン州ポートランド、Open Source Development Lab、以下 OSDL)は、本日、日本に世界で 2 番目のラボ(OSDL ジャパン)を開設し、ラボディレクタに高澤真治が就任したことを発表しました。
OSDLジャパンの研究施設は、本年 12 月 21 日に横浜ビジネスパーク(通称「YBP」、神奈川県横浜市保土ヶ谷区)内に約 400 のフロアをもつコンピュータセンターとして開設される予定で、アジア・太平洋地域の Linux 開発者に対して、Linux および Linux 用オープンソースソフトウェアの開発環境を提供します。また、同ラボは独自のプロジェクトを募集し、アジアのオープンソースコミュニティに広範な支援を提供します。開発者からのプロジェクトの申し込みは、ウェブサイト(http://www.osdl.org/)にて受け付け、11 月末より、英語に加えて日本語での申し込みも可能とする予定です。
高澤真治は、日本 Linux 協会副会長、LPI ジャパン理事、LinuxWorld Japan のアドバイザリボードメンバを務めています。また、OSDLに参加する以前は、大手外資系コンピュータベンダのマーケティング、プロモーションマネージャを務め、エンタープライズ分野について豊富な知識と経験を蓄積してきました。今後は、Linux およびオープンソース発展への貢献に専念します。
OSDL は、NEC、日立製作所、Intel、Computer Associates、Hewlett-Packard、IBM、富士通、三菱電機、ミラクル・リナックスおよび、世界中の10の企業が参画している非営利団体で、Linux システムを業務システムや通信インフラなどのミッションクリティカル領域に適用できるようにするため、信頼性、拡張性の向上に注力しています。また、OSDL は Linux のパフォーマンスを検証する新サービス「STP(Scalable Test Platform)」を開始しており、日本においては OSDL ジャパンを通じて提供されます。OSDL は、世界中の開発者へ価値の高いサービスを提供し、オープンソースコミュニティを支援していきます。
米国 OSDL のラボディレクタである Timothy Witham は次のように語っています。「我々は、高澤真治を OSDL の一員として迎えることを非常に喜ばしく思っております。彼の卓越した経験と指導力は、アジアのオープンソースコミュニティだけでなく、世界中の開発者にとって大きな資産となるでしょう。」
OSDL ボードメンバであるNECコンピュータソフトウエア事業本部 事業本部長の伊久美功一は「高澤氏は、OSDL にとって大きな役割を果たすと確信しております。また、同氏のコンピュータ業界と Linux コミュニティでの活躍を鑑み、OSDL とオープンソース開発者と企業のそれぞれから信頼を得、これらのシナジー効果をうまく引き出し、アジア地域からの Linux への貢献が大きく飛躍することを期待します。」と述べております。
オープン・ソース・デベロップメント・ラボ(OSDL)について
OSDL は、特定のベンダに依存しない NPO(非営利団体)です。業界のリーダ企業からサポートされ、エンタープライズおよび高性能サーバ向けの Linux および Linux ベースのオープンソースソフトウェアの機能を拡大する様々なプロジェクトを支援しています。オレゴン州のポートランド西部に本部をおき、開発や検証をハイエンドのエンタープライズ・ハードウェア上で行いたいというニーズに応えます。詳しい情報は、www.osdl.org でご覧になれます。現在、以下の 19 社 が参加しています。
Caldera International, Inc. |
Computer Associates International, Inc. |
Covalent Technologies, Inc. |
Dell Computer Corporation |
富士通株式会社 |
株式会社 日立製作所 |
Hewlett-Packard Company |
IBM Corporation |
Intel Corporation |
Linuxcare, Inc. |
LynuxWorks |
ミラクル・リナックス株式会社 |
三菱電機株式会社 |
日本電気株式会社 |
Red Hat, Inc. |
SGI |
SuSE Linux AG |
Turbolinux, Inc. |
VA Linux Systems, Inc. |
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(アルファベット順) |
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以上
≪この件に関する報道関係者からのお問い合わせ先≫
OSDLジャパン
ラボディレクタ 高澤真治
電話:
E-mail:
≪添付資料≫
エンタープライズ分野で必要とされるシステムの構築や運用は個人にはまだまだ荷が重い。大規模なシステムでこそ効果を発揮するようなエンタープライズ分野の開発に対して個人が機材に投資して確認を行うことは困難であることが、この分野のコミュニティの発達を妨げてきた。大規模なシステムへの投資や運用をすることなく、必要なときに OSDL のリソースを用いることで幅広いコミュニティの力を有効に集めることになるはずである。リソースの間借りの斡旋にとどまらず、コミュニティやプロジェクトの育成に OSDL が積極的な役割を担うことが今求められている。世界で 2 番目のラボとして、先行する米国のラボ以上に優れた成果を出されることを希望し船出を祝いたい。
(東海大学 電子情報学部 コミュニケーション工学科 助教授 清水尚彦 氏)
OSDL 殿はオープンソースの研究開発を支援するための計算機資源を、各プロジェクトに提供し、質の高いオープンソースの流通と利用を促進するものと期待されます。特に、OSDL 殿の活動を通して、Linux システムの基盤ソフトウェアの確立と国内外の研究開発者間のコミュニティが形成され、これにより、効率的かつ先進的なソフトウェアの開発と普及が推進され、IT 関連産業に対して大きな貢献をされることを確信しております。
(東京大学 大学院 情報理工学系研究科 助教授 江崎浩 氏 WIDE プロジェクトボードメンバー USAGI プロジェクト)
近年、フリーソフトウェアが商業に応用される事例はますます増加しています。このことは、フリーソフトウェアに対する正しい理解が広まってきていることを示しているといえるでしょう。
OSDL の試みは技術的なことだけでなく、フリーソフトウェアに対する理解をより広めることにも繋がり、ひいてはフリーソフトウェア開発者と利用者の両者にとって大きな利益となると思います。Namazu Project は、このような試みを歓迎いたします。
(Namazu Project 殿)
OSDL ジャパン発足おめでとうございます。PC クラスタに代表されるハイエンドコンピューティング分野でも並列処理のためのソフトウェアは Linux を基にしたオープンソースが主流となっています。オープンソース開発をインフラ面で支援する OSDL ジャパンの今後に期待するとともに、日本における益々のエンタープライズシステム基盤ソフトウェアの発展を願っています。
(PC クラスタコンソーシアム 会長 石川裕 氏)
OSDL ジャパンラボの開設、おめでとうございます。ブロードバンド時代のインフラを担うソフトウェアとして、Apache の果たすべき役割は非常に大きくなりつつあります。特に大規模な Web サイトをサポートするための機能が要求されるようになり、OSDL ジャパンラボにおけるプロジェクトがそれらの要求を解決していくことを期待しております。日本 Apache ユーザ会としても微力ながら協力させていただければと思っております。
(日本 Apache ユーザ会 殿)
OSDL ジャパンラボの設立、誠におめでとうございます。Samba は現在、オープンソースの Windows ネットワーク用ファイルサーバーソフトウェアとして非常にたくさんのユーザに利用されていますが、今後も低価格なストレージソリューションにおいて欠かすことの出来ない存在になっていくものと考えております。日本 Samba ユーザ会では Samba のより一層の発展のために、OSDL ジャパンラボを大いに活用させていただければと思います。
(日本 Samba ユーザ会 殿)
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