反トラストポリシー

Open Source Development Lab, Inc.（以下、「OSDL」）の目的は、技術的プログラムのスポンサーシップを通じ、Linux の開発者とユーザが、標準化された互換性のある Linux プラットフォーム上でハイエンドなエンタープライズクラスのアプリケーションを開発することを可能にし、Linux 界の技術的環境とビジネス環境の構築をサポートすることにあります。当然ながら、この目的は、米国の反トラスト法に従った完全に合法的なものです。当組織は、上記の目的の遂行において、反トラスト法に違反するリスクが何ら生じないように希望しています。従って、この反トラストポリシー（以下「ポリシー」といいます）は、反トラスト法に違反する問題が生じないようにするために、同法の禁止事項を超えたものになっています。

反トラスト法に違反した場合の罰則はきわめて厳しい場合があり、高額の罰金が課せられたり、違法行為が有罪となって収監されることさえあります。さらに、最近、米国最高裁判所が、産業団体は、団体の構成員が行った権限のある行為はもちろん権限のない行為に対しても法的な責任を負うことがありうると判示しました。従って、適切でないと思われる程度の行為でさえも防止するために、あらゆる努力を払う必要があります。

適切な活動

OSDLの目標は合法的であることです。OSDL の提案された活動は、ディレクターとメンバーの活動を含め、適切に行われる限り、反トラスト法に抵触することはありません。法律顧問がミーティングに同席している場合でも、各メンバーは、第一に、議論に不適切な議題が提起されるのを防止する責務を追っています。この旨を記載するのは、OSDL のミーティング参加者が上記の義務を承知するよう喚起するためです。

排除される活動

最もよく見られる反トラスト法の違反行為は、価格調整を行ったり顧客を割り当てるような競合会社間の合意です。OSDL のメンバーは、OSDL の目的が、技術的プログラムのスポンサーになり、Linux の開発者ならびにユーザが標準化された互換性のある Linux プラットフォーム上でハイエンドなエンタープライズクラスのアプリケーションを開発できるようにすることである、ということを考慮に入れておく必要があります。OSDLの活動は、特定の製品のマーケティングに携わる個々のメンバーの活動には一切関与すべきではありません。従って、メンバーは、個々の会社の製品開発、マーケティング、購入や価格決定に関する事柄を議論してはなりません。

競合

このポリシーないしは OSDL のドキュメントのいかなる記載内容も、メンバーが、OSDL がスポンサーになっているアプリケーションを組み入れていない製品を製造、使用、ないしは販売することを禁止または制限していません。

以下に提示されているするべき事項としてはならない事項は、ハイレベルな反トラスト原則のみを扱っています。OSDL のミーティング参加者は、特定の立場、解釈、または助言を伴うあらゆる場合に、参加者自身の顧問に相談すべきです。

してはならない事項

実際上ないしは外見上にかかわらず、以下の事項に関する情報を議論したり交換すること。

• 個々の企業の現在または計画されている価格、価格変更、価格格差、値上げ、ディスカウント、値引き、支払条件などの販売条件、利益、マージン、原価などの価格に関係するデータ。
• 業界の価格政策、価格レベル、価格変更、価格格差、その他、それに類すること。
• 業界の生産、生産能力、在庫の変化。
• 個々の企業による特定の製品への入札、または入札の意向、入札案内に対応する手続き、または特定の契約上の取り決め。
• 特定の製品の意匠、特徴、生産、流通、マーケティングまたは対象となる地域や顧客などの市場投入データに関する個々の企業の計画。
• 実際の、または潜在的な個々のサプライヤに関連して、彼らを市場から締め出したり、あるいはこのサプライヤや顧客を相手にしている企業のビジネス行為に影響を及ぼす効果があると想定される事柄。
• 個々の会社の調達、製品の開発または製造に関する現在ないしは予定されている原価。
• 一部の製品またはすべての製品に関する個々の会社のマーケットシェア。
• OSDL に認可されたミーティングに付随した懇親会における上記の事柄（ふざけて言ったことであっても）。

するべき事項

• すべての OSDL のミーティングで用意された議題に従う。
• ミーティングの議事録を作成してすべての参加者に配布するように主張し、ミーティングの議事録が議論された事柄を正確に反映していないときはいつでも抗議する。
• 参加する各 OSDL 委員会やその他のグループの目的と管轄を理解する。
• OSDL のミーティングに関連したすべての反トラスト法問題について OSDL の法律顧問または自社の顧問に相談する。
• 反トラスト法に違反していると思われる議論やミーティングに対しては抗議し、このような議論や活動には関与を止め、続行されているミーティングの場を離れ、その活動を OSDL ボード・オブ・ディレクターに報告する。そうすることにより、今後、同様の行為が行われるのを防止する。

法律上の審査

OSDL のポリシーは、提案されたプログラムないしはポリシーの決定が実施に移される前に、それらについて法律顧問と共に徹底的に議論することです。参加者は、提案されている行動方針の合法性について疑問がある場合、当該事項を速やかに OSDL ボード・オブ・ディレクターに図ることとし、OSDL ボード・オブ・ディレクターは、その事項について法律顧問と検討します。このようにして、OSDL は参加者を最大限保護しながら自らの合法的な目的を継続的に追求していくことができます。